こんにちは。
『フロンティア総合会計事務所』の合田です。
早いもので、入社してからもう2ヶ月。
簿記の勉強や、会計データの入力等、基礎的な部分からコツコツ頑張っております。
会計用語は専門的で、今まで間違って読んでいたものも多々ありました。
皆様は、「荷造運賃」を正しく読めておりますでしょうか。
(「にづくりうんちん」ですよ!「にぞう」でも「かぞう」でもないですよ!)
さて、今回お話するのは、「設備品の一括償却について」です。
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一からのお話もなりますが、
経営には一年間の売上があって、経費があって、その「売上-経費」の部分に税金がかかります。
単純計算で経費が多くなるほど税金が少なく済むわけです。
ただし、経費は色んなルールがあります。
(そのルールに則っていかに税金を節約できるか、というのも税理士事務所の腕の見せ所なんですね~。)
そして、
その経費のひとつに「設備」というのがあります。
ざっくり大きな機械や建物だと思って頂いて結構でしょう。
実はこの「設備」を経費にするのはルールがあって、「設備の経費は何年かに分割しなさいよ」というものです。
例えば、100万円のスーパーコンピューターシステムを買って、
「やった、100万円経費にできるぞ、今年は税金少なくて済むぞ!」
と思っていたら、
100万円を20万円の5回に分けて毎年経費にしなさいというルールでした。
「あれ、今年の経費20万しかないの!?」となっちゃうわけです。
これを「減価償却」といいます。
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「そんなの分かっとるわ!!」
社長、お待たせしました、「一括償却」のお話です!
スーパーコンピューターの経費を20万から100万にする方法です!
正式名称は少し長いですが、「生産性向上設備投資促進税制」といいます。(もちろんコピペです。)
どういうものかというと、
設備対象が
「①一定の金額以上で(モノによりますが大体100万以上と思ってください」
「②最新のもので」
「③生産性が1%以上向上しているもの」
であったら、分割せずに全部経費にしても良いよ、というものです。
(あくまで一例ですので、ご利用の際はご相談いただければと思います。)
②はともかく③とかになったらもう意味が分かりませんよね。
何か面倒くさそうですし、1%とかもうオカルトの世界です。
ただし、ご安心ください!
上記を満たす証明書というのは、実はその設備メーカーさんが準備するものです。
メーカーさんが、このコンピューターは旧式と比べて消費電力が1%以上減少している!(=生産性1%アップ!)と、審査機関に提出し、証明書を得るわけです。
つまり社長さんは、申告の時にその証明書を付ければ良いだけで、特別な手続きはしなくてよいのです!
敢えて言うなら、設備を購入される際に、
このチラシ
(http://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/seisanseikojo/pamphlet.pdf 経産省:HP)
だけ持っていってください!
「これ使えるん探っしょんやけど」で、ОKです!
これで一括償却できるようになりました!
スーパーコンピューターの今年の経費は100万になったのです!
設備品の金額次第では、ウン十万も、ウン百万も節税できるかもしれませんよ!!
めでたし、めでたし!
ただ、デメリットもあります。
お分かりの通り、一括で経費にしたので、翌年以降に経費にできないんですね。
毎年設備投資するわけにも行かず、結局節税できたのは、経費にできた1年目だけで、それ以降はお金に困ってしまいました。
(税金が増えた為、またそもそも設備投資にお金がかかった為)
という例も有り得るわけです。
そもそも設備というのは、コンピューターも建物も車も、売上を「長期」に渡って生むものと考えられてます。
設備投資をするとじわじわ売上ができてくるので、それに併せてじわじわ経費にしよう、というのが減価償却の考え方なのです。(合ってますよね、所長!?)
もちろん一時的に利益がでたり今後の資金繰り次第では、即時償却はものすごいメリットがありますし、逆に毎年(いわば普通に)償却するのも当然そのメリットがあるのです。
ひとくくりに「設備」ではなく、それがどういった目的の設備なのか、というのも重要ではないでしょうか。
また、一番大事なのは、制度があるから使う、というのでなく社長が会社を今後どのようにしたいか、だと思います。
その夢や計画の中で、その時その場にあった節税方法を利用するのが一番ではないでしょうか。
税金の制度は本当にすぐ変わります。(ちなみに前述の即時償却は平成28年3月までです。)
最終ご判断するのは当然お客様です。ですが、会計事務所の人間として、税に関する情報提供は最大限やっていければと思います。
ほんの些細な事でもご相談頂ければ、これほど幸せな事はありません。
精一杯頑張りますので、今後とも宜しくお願い申し上げます。
香川県高松市の税理士・会計事務所
フロンティア総合会計事務所 合田良明